乳歯は、無事に永久歯が生え揃うまで、大切な役割を担っています。
「噛む」という運動による顎の成長、永久歯が生えるときに正しい位置への誘導などです。
しかし永久歯に比べて虫歯になりやすいと言われています。付き合いは短い乳歯ですが、生涯付き合う永久歯の為にも、丁寧なケアが大切です。
子供の歯(乳歯)は永久歯に比べると、大きさや厚さが半分程度です。
石灰化が弱いため、歯の表面にある硬いエナメル質も弱いのです。
また、子供は一人では歯磨きが上手にできません。大人が仕上げ磨きをしてあげたり、楽しい習慣づけをするなど、根気よく一人で磨けるように見守ってあげましょう。
子どもの好きな食べ物には、虫歯の原因になるものが多くあります。
「お口の中にとどまる」
「虫歯菌が取り込みやすい糖分を持つ」などの特徴を持つ食べ物、つまり「アメ」「ガム」「キャラメル」「チョコレート」などのお菓子です。
これらはなるべく控えるようにし、お口の中で糖分がとどまらないよう、おやつの時間をきちんと決めるようにしましょう。
人によって遅かったり、歯が生える順番が違っても問題ありません。
歯が生える時期や順序についての仕組みはまだ解明されていません。
3~4カ月程度のズレは全く問題ありません。
生え始めは赤ちゃんにとって、とても不快感があります。歯ぐきのむずがゆさを解消するために、いろいろなものを口に入れたがります。歯がためなどのおもちゃでその欲求を満たしてあげましょう。
★妊娠して2~3ヵ月で、乳歯の歯(歯胚)が出来始めます。
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★4~6カ月位の胎児の頃に、歯の石灰化が始まります。
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★赤ちゃんが生まれ、乳歯が生えてくるのは5~10ヵ月の頃です。
下の歯から順に生え、3ヵ月位遅れて上の歯が生えてきます。
名称 | 生える時期 | 抜ける時期 |
乳中切歯 | 生後6~7ヵ月 | 6~7歳 |
乳側切歯 | 生後7~9ヵ月 | 7~8歳 |
乳犬歯 | 生後16~18ヵ月 | 9~12歳 |
第一乳臼歯 | 生後12~14ヵ月 | 9~11歳 |
第二乳臼歯 | 生後20~24ヵ月 | 10~12歳 |
赤ちゃんの顎と、大人の顎ではずいぶん大きさが違います。歯は隙間なくお顎の骨に並んでいなければなりません。ところが、歯は生えた後に大きく成長することはほとんどありませんので、最初から顎のサイズにピッタリの歯が生えるようになっています。
顎が小さい子供のときは小さい歯が生えていて、顎が成長して大きくなると、その顎にピッタリの大きい歯に生え変わります。
また、大人の歯は本数も多くなります。子供の歯は全部で20本ですが、それが生え変わると奥歯が生えてきて最後には通常32本になります。
中には一番奥に生えるはずの「親知らず」が最後まで生えない事もありますから、そういう人は28本で終わりになります。
大人の歯が生え揃う頃には、顎の骨の成長も止まり、それ以上顎が大きくなることはありませんので、歯が生えかわる必要はないのです。
【早期発見が肝心】
子供の虫歯は進行が早く、痛みも少ないために、半年ほどで神経の近くまで進んでしまいます。
初期症状としては、歯の表面が白く濁ったようになる、黒い小さなシミのようなものがつく、歯と歯の間の部分が黄色くなるなどが挙げられます。
この段階で発見すると、治療は比較的簡単に済みます。日頃のケアを丁寧に行いましょう。
●歯磨き
ていねいな歯ブラシを心がけ、口の中を常に清潔にし、歯垢や細菌、歯石を取り除きましょう
●砂糖を控える
おやつには、なるべく砂糖の少ないものを選び、キャンディーなど、粘着性の高い物は控えましょう。
●バランスよく食べる
丈夫な歯を作る為に栄養バランスの良い食生活を心掛けましょう。
●よく噛む
よく噛んで食べることにより唾液が多く分泌され、口の中を綺麗にしてくれます。
●寝る前は食べない
眠っている間は唾液の分泌が減り、虫歯の原因菌が最も増える時間帯です。夕食後に歯を磨いたら、寝る前の間食は控えましょう。
●歯科医院で定期健診を受ける
学校や幼稚園で受ける健診は、虫歯や歯周病などの疾病についての有無を調べ、治療が必要か、経過観察が必要かなどのふるい分けを目的としています。歯科医院の健診は、疾病の診断のために検査をし、治療や予防処置を行うのが目的です。
虫歯になってから治療に行くのではなく、予防のために定期的に歯科医院に行きましょう。