歯周病とは、糖尿病などと同様の生活習慣病であり、痛みが無く徐々に進行する慢性疾患です。原因は、歯の表面についたプラーク(歯垢)及び歯石です。
普段、ご自身の歯ブラシだけでは磨ききれないプラークが後に歯石となります。
プラークの99%は細菌と食べ物のカスです。
プラーク・歯石を放置しておくと、口臭の原因にもなります。
【歯周病治療について】
上の図は、健康な歯肉から歯周病になった歯肉の状態を表したものです。
この様な歯石は、歯科医院で歯科衛生士に定期的にとってもらうしかありません。
歯肉の下にある歯石(縁下歯石)は麻酔をして取らないと取れません。当院では、歯周病の進行した歯に対して、麻酔を行い、手用の器具で縁下歯石の除去を行っています。縁下歯石の除去をしっかり行わないと、見える部分のうわべだけの歯石を取っているにすぎず、歯周病はどんどん進行していきます。
【歯石は48時間でできあがる】
プラーク(歯垢)を放っておくと、約48時間で「歯石」になってしまいます。歯は、食事をする度に表面のミネラル成分(カルシウムやリン)が溶け出して、唾液の中にあるミネラル成分によって元に戻る(再石灰化)という状態が繰り返されています。このように唾液に中には歯が虫歯にならないように、大量のミネラル成分が含まれているのですが、これが細菌の塊であるプラークと結びついて石のように固まるのです。歯垢は毎日の歯磨きで取り除くことができますが、歯石になってしまうと取り除けなくなってしまいます。
【定期的に歯石を取り除く】
歯石には小さな穴がいくつも開いており、そこを住処にしている細菌が毒素を出して、歯茎を腫らしたり、歯の骨を溶かすなどの歯周病を引き起こします。この細菌は歯磨きでは取り除けないため、歯石ごと除去する必要があります。歯周病は糖尿病、心臓病などの重大な病気の原因となることが知られ、歯周病予防のためにも定期的に歯石を取り除くことが重要です。歯磨きやデンタルフロスで日々のケアを行ったうえで、3-6ヶ月に一度歯科医院で除去してもらう習慣をつけましょう。
【定期検診のすすめ】
歯周病に限らず、歯科医院での定期検診は、歯の健康を保つためにとても大切です。
現在、歯やお口のトラブルが無くても、歯科医院を受診し、主治医と相談の上、あなたにあったペースで定期的に歯のチェックをしてもらいましょう。
【染め出しについて】
歯科衛生士が行う「染め出し」は、歯面についたプラーク(歯垢)や歯石を染め出すものです。
それぞれの患者様がどの程度磨けているかを確認するために重要なものです。普段しっかり磨けていると思っていても、実際に染め出すと磨けていない場所が沢山あります。是非、ご自身の目で確認して頂き、今後のブラッシングに活かしてください。
一度歯石を取り綺麗になった歯も、数カ月経つと元に戻ってしまいます。
そこで重要となるのが「定期健診」(メインテナンス)です。定期健診では、虫歯のチェックと歯石除去(クリーニング)を行います。
重要なのは、3カ月から半年に一度の定期健診です。年に数回歯科医院に通院し、いつも歯を健康な状態に保ちましょう。油断は禁物です!
歯周病治療は、一夜で完了するようなものではありません。歯科医師・歯科衛生士は歯の汚れや歯石を取り、歯ブラシ指導や説明を行いますが、一番重要なのは毎日の患者さんの歯ブラシがいかに適切に行われているかです
歯周病治療は一生続くものです
生活習慣病である歯周病は、毎日のケアが重要です。
もし歯周病になってしまったとしても、早期の治療や予防策により、進行を防ぐことが出来ます。
【歯垢を除去して清潔に保つ】
毎日の歯磨きで正しいブラッシングはを行いましょう。歯ブラシ以外に、デンタルフロスや歯間ブラシを用いて、歯周病菌の原因となる歯垢を取り除き、口の中を清潔に保ちましょう。
【歯ぐきをマッサージする】
【食生活・生活習慣を改善する】
歯周病以外の生活習慣病を予防するうえでも、お菓子などの八若楽糖分を多く含む食べ物や喫煙・飲酒を控え、バランスの良い食事や、質の良い睡眠・適度な運動など健康な生活を心掛けましょう。